板倉病院は、祖父・板倉岩雄が1939年に開院し令和元年には80周年を迎える、船橋で最も歴史のある病院となりました。医療法人弘仁会は地域のセーフティーネットを作ることを目標に、法人内に病院、クリニック、訪問診療、訪問看護、老健施設、居宅支援事業所、保育園などを有し地域包括の先駆けとなるネットワークを作ってまいりました。「究極の地域医療をめざして」をキーワードに、自法人だけにとどまらず開かれたネットワークの創造を目指しています。
医療の細分化、専門化に伴い、医療機関の役割は大きく変わってきました。
「癌が見つかったら電車で30分にある有名な病院で見てもらおう」
当院の医療レベルには自信をもっていますので、ちょっと悔しい気もしますが、情報の充実した現在、それも至極当然の感覚だと思います。では当院はどのような医療を提供できるでしょうか?
超高齢化社会により医療ニーズはさらに上昇し、高次医療機関での継続したフォローは困難になると予想されます。治療後の経過観察や治療継続困難・通院困難の場面で、地元に安心できるかかりつけの病院・クリニックを持つことは重要です。
船橋市民の皆さんや患者さんが「医療に期待すること」に対して、どのように応えるかが、最大の使命であると考えています。地域に根差した究極のホームドクターを目指し当法人が掲げる6つの方針を紹介します。
1. 地域の人の期待に応える医療の確立(救急医療・在宅医療・予防医療の充実)。
2. 地域包括的な医療・介護の提供(共に喜び合える医療を)。
3. 街づくり・地域づくりを支援し、貢献する。
4. プロフェッショナルの進化・真化。
5. 職員を人財と考え、その家族までも守る。
6. 医療の継続性を保つ健全経営。
1. 地域の人の期待に応える医療の確立(救急医療・在宅医療・予防医療の充実)
地域医療を支えるためには不測の事態に対応する救急医療が不可欠です。高次医療機関と前後治療を連携し、断らない救急医療を継続します。治療後の在宅療養・施設療養までを一体的に支えます。健康寿命の延伸にむけて、予防医療の充実(早期発見、丁寧なメンテナンス、適切に専門機関に紹介)も行います。 救急医療・在宅医療・予防医療を3本の柱に地域密着医療法人としての使命を果たします。
病院とクリニックの連携(病診連携)は重要となります。画像連携システムの提供など、当院の医療インフラを有効活用し、クリニックの先生方と人柄が見える関係を構築し、地域を支える「屋根のない総合病院」を目指します。
2. 地域包括的な医療・介護の提供(共に喜び合える医療を)
価値観や生活様式の多様化、少子高齢化と社会構造は大きく変わりましたが、変わらないものに「夢や希望」など人の思いがあります。患者・家族の「思い」に寄り添うため、自法人内の病院・クリニック、施設・訪問診療・訪問看護・地域包括支援センターのみならず、地域の医療機関・施設などの医療インフラと柔軟に連携し、「思いが重なる」医療・介護サービス、「生に加え、死にも希望を与える医療介護」を提供します。
3. 街づくり・地域づくりを支援し、貢献する
地域に開かれた「地域コミュニティの場」を提供します。「地域が病院を作り、病院が地域を作る」を目標に、子ども食堂などの地域活動のみならず、医療無関心層が興味を持てる活動を行い、違和感があるかもしれませんが、なにか楽しい病院(施設)・また来てねと言えるような病院(施設)を目指します。
4. プロフェッショナルの進化・真化
医療者はプロフェッショナルでなければなりません。プロフェッショナルの前提は温かい人間性です。さらに柔軟な社会性、高い専門性、コミュニケーションスキルも重要となります。医師・看護師、他の専門職種、事務職種などすべての職員がプロフェッショナルとして誇りをもって働くことを目指します。
5. 職員を人財と考え、その家族までも守る
質の高い、思いやりのある医療を提供するために職員を大切にします。安心して働ける環境になければ人にやさしくすることはできません。人を中心に置き、人「財」の確保と育成を行います。地域の皆さんの笑顔のためにも、「ワクワク、イキイキ、ニコニコ」できる環境を作り、個々の目標によりそった支援を行います。職員の家族は当法人の家族と考えます。
6.医療の継続性を保つ健全経営
地域医療に不可欠な要素に継続性があります。当院は84周年を迎え、船橋市で一番歴史のある病院です。歴史に甘えることなく、過去の業績を踏まえ、常に将来を見据え、自分たちのあるべき姿を社会に示し続けなくてはいけません。地域から何を期待されているのか、それにどう応えていくのかという理念を実行しつづけます。理念の実現・日々の活動・経営収支を調和させ、継続的に地域医療に貢献します。
医療法人弘仁会は地域に根差した活動を継続していきます。みなさまと共に歩んでいきますので一緒にワクワク、イキイキ、ニコニコしましょう。
「病院長ナビ」掲載記事
▼『おらが街の病院』を目指しユニークなアイデアで地域住民との繋がりを紡ぐ地域密着の病院経営とは